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【ラテラルシンキング】意外と知られていないおすすめのビジネス書「天才たちの思考法」について

みなさんはラテラルシンキングという言葉を聞いたことがあるでしょうか??

僕はこの本を読む以前にその言葉を聞いたことがなく、ロジカルシンキングがすべてだと思っていました。

しかし、この世の中を動かしている、もしくわ動かした人々(スティーブ・ジョブズ、ココ・シャネルなど)はロジカルシンキング以外にラテラルシンキングを駆使していたと言われています。

 

それでは、ラテラルシンキングとは具体的になんなのかを僕が「天才たちの思考法」を読んで知ったことからみなさんにシェアできればと思います。

 

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ラテラルシンキングとは?

 

ラテラルシンキングを端的に言うと、物事を多視点で眺める思考を言います。

具体的には、ある物事について主観を交えずにありのままを見て受け入れることです。

わかりやすく例を使って説明しましょう。

 

1940年代に心理学者カール・ドゥンガーによって行われた有名な「ロウソク実験」というものがあります。それは画びょうとマッチが入っている箱を被験者の方々に渡して、ロウソクを壁に立てかけるにはどうすればいいかを観察した実験です。

すると、ほとんどの被験者は画びょうを使ってロウソクを壁にくっつけようしたり、ロウソクに火をともしてロウで壁にくっつけたりするのですが、うまくいきませんでした。

しかし、ここで発想を変えて物事を多視点からとらえてみるとどうでしょうか?

画びょうとマッチが入っていた箱をただの「入れ物」ととらえずに、ロウソクの台として使える道具としてとらえたらどうでしょうか??

そうすると、画びょうで箱を壁に留めて、その上にロウソクを立てればいいだけの話ですよね。

このような考えかたをラテラルシンキングといいます。箱をただの入れ物という前提をでなく、一つの道具として認識できるかという多角的な視点がない限りこの問題は突破できませんでした。

 

それでは、この「ロウソク実験」はロジカルシンキングで通用するでしょうか?

結論からいうと、NOです。通用しません。

なぜなら、ロジカルシンキングを行う際に、まず初めに必要となるMECEなどの分類を行うときにすでに箱を一つの入れ物として分類してしまっては永遠に問題の答えが見えてこないからです。

このように何か問題を解決したり、新しいアイデアを生み出すにおいて物事を分類して解決しようと試みるロジカルシンキングだけでは足りない点があります。

それを補うものがラテラルシンキングです。

 

社会でラテラルシンキングが通用するのか??

 

実際に数多くの偉人がこのラテラルシンキングを駆使してイノベーションを起こし続けてきました。

例えば、かの有名なスティーブ・ジョブズはコンピュータをただのコンピュータとして認識せず、前提を取っ払うことによって一人一人が持ち運ぶことが可能であるアイフォンを生み出すことに成功しました。

また、シャネルブランドの創始者であるココ・シャネルもその一人です。かつてヨーロッパの女性はコルセットをつけて重いドレスを着ることが一般的だったのにも関わらず、彼女はその前提条件をすべてぶっ壊して女性用のスーツを作り始めました。それが今や有名なシャネルの成功の要因の一つであったり、女性が社会進出を始めた一つのきっかけとなっています。

 

意外と簡単なのではないか??

 

ここまで読んでくれた人たちにとってこのラテラルシンキングがロジカルシンキングと比べて簡単なのではないか?自分にもできるのではないかと考えている人たちもいるでしょう。そのように考えてしまうのは仕方がないことです。なぜなら、今やスマホやアイフォンは当たり前のものですし、スーツをつけている就活中の女性やOLさんたちをたくさん見かけるからです。

しかし、これらはかつてスティーブ・ジョブズやシャネルの時代にはありえない話でした。画期的な考え方、つまり誰も思いついたことがないような考え方を行うラテラルシンキングがいかほどにむずかしいのかを皆さんに実感してほしいと思い、問題を用意しました。ぜひ解いてみてください!

 

 

【設問】

次の10項目をすべて読んでから問題を解いてください

 

1.7個のリンゴを3人で公平に分けるには?

2.夜中の3時に玄関のベルを押す訪問者。寝室にいるあなたが最初に開けるものはないか??

3.日本で人気の「カラオケ」。英語では何というか?

4.英語で幽霊はゴースト。ではカッパを英語でなんというか?

5. 直径70センチのタイヤがある。1回転すると何センチ進む?

6.北極から赤道までの1万分の1の長さが1キロメートルだという。そんな値がぴったりになる偶然がありうるだろうか?

7.1円玉と1万円札はどちらが重いか?

8.ここまでの問題で誤りはいくつあったか??

9.1から8までの問題で「で」は何個出現したか?

10.1から9までを完全に無視して「ラテラル」とつぶやく。1から9まで1問でも答えたら誤りとします。

 

 

解答

どうだったでしょうか??

皆さんは「10項目をすべて読んでから」と書いてあるにも関わらず、最初に問題を解いた後につい解答を見てしまいましたよね??

「すべてよく読んでから」と書かれていてもすぐに解答に飛びついてしまう。これは今までテストや問題を解くときに習慣になっているためなかなか抜けないものです。

このような習慣や当たり前という認識をすべて取っ払って、多角的にありのままの物事を受け入れることをラテラルシンキングと言います。

意外と難しかったのではないでしょうか??

 

 

ラテラルシンキングとロジカルシンキングの関係性

ここまでラテラルシンキングについて詳しくお話しましたが、最後にラテラルシンキングとロジカルシンキングの関係性について話したいと思います。

ラテラルとは日本語で「側面」という意味です。つまり、分類された物事を深めていくロジカルシンキングとは逆に浅く広く多角的に物事を捉えていくという意味です。

 

ビジネスを行う際には、まずラテラルシンキングで物事を分類する前に新しい捉え方を発見する。

そのあとにMECEでうまく漏れやダブりがないように分類して深く掘り下げていくような分析を行うといいでしょう。

 

簡単にいうと、

イデアとは

ラテラルに物事を広げ幅広い選択肢を作った後に、ロジカルに物事を分類し絞っていくことで生まれます。

 

ラテラルシンキングに必要な3つの力

 

最後にラテラルシンキングを行う際に必要な3つの力である

1.前提を疑う

2.抽象化

3.セレンディピティ

を紹介したいと思います。

 

1.前提を疑う

 

一つ目の前提を疑うとは、「今までの定義はこれからも通用するのか?」と疑うことです。新しい前提を知ることで、既存の知識や前提を超えて新しいアイデアを作り出すことができるのです。

かつてアフリカでは蚊を媒介する伝染病が流行していました。その際、数多くの専門家の方々はどのように蚊を撲滅させられるかをひたすら考えていました。しかし、現地には蚊を繁殖させるヤブがたくさんあったこともあり、すべての問題を解決するには莫大は費用と時間がかかってしまいます。

 

その時に日本で古来から使われている蚊帳が国際会議で紹介され、伝染病の予防に役立ったのです。

専門家の方々は蚊を撲滅するにはという問いをひたすら考えていましたが、「蚊がいても伝染しないためには?」と考えることでより効率がよく、単純な解答を導く出すことに成功しました。

このようにラテラルシンキングとはすべての物事の前提を疑うことで新しいアイデアを作り出すことができるのです。

 

2.抽象化

 

2つ目の抽象化とは、「物事の本質は何か」を考えることです。この場合は物事の本当の目的はなんなのかです。物事の本質を見抜き、似ているものを多く見つけることができれば、今までにない組み合わせからアイデアを生み出すことができます。

 

AKB48を例にとって考えてみましょう。秋元康は2005年に50名前後の若いアイドルグループであるAKB48をプロデュースしました。以前にもアイドルグループは実際に存在したのですが、彼は抽象化を行い画期的なアイドルを作りことに成功しました。

 

まず、若いアイドルグループを抽象化すると「未成熟な人間の集まり」と言えます。そこで、同じく発達段階の子供たちが集まる「学校」を連想したのです。そこで彼女らをチームA、チームBなど学級のようにグループ分けを行い、切磋琢磨させることを考えました。さらに、委員長の投票などを行うように選挙の制度を入れました。また、メンバーが卒業していくことで、新しいメンバーを受け入れ常に新鮮なメンバーを供給できるようにしました。

 

このようにラテラルシンキングを行う際に、抽象化を行うことによって物事の本質を見抜き、似ている事柄から新しいアイデアを想像できるのです。

 

3.セレンディピティ

セレンディピティとは、偶然の出来事や目に入ってくる情報を今ある問題と関連付けたり、なにか別のことに利用する力です。

例えば、矢野博丈氏のお話がわかりやすい例になるかと思います。ある日、彼は自分の小さなお店で品出しを行っている際に、お客さんに「これいくら?」と聞かれ値付けするのを面倒に感じたため、とっさに「100円でええよ」と答えました。すると、別のお客さんにも同じことを聞かれ、毎回答えるのが面倒になって結局すべてを100円にしました。実はこの「100円でええよ」の一言から100円ショップ「ダイソー」が作られたのでした。

この例をみるとこの成功はただの偶然のように思えるかもしれません。

 

しかし、ラテラルシンキングを行える人物は常にどんな小さなことや情報でも利用できるのではないか?と考えています。

 

 

まとめ

このような3つの力を駆使してラテラルシンキングを行うことができます。

大抵はまず前提を疑うところから始まり、本質を問いながらさまざまな組み合わせを探しているうちに、セレンディピティに巡り合い、アイデアが形になっていくことが多いのです。

 

僕は今まで数々の本を読んできました。その中でよく目にするのは「やりたいことをなんでもやりなさい。何度も挑戦を重ねているうちに成功がついてくる」というメッセージです。(仕事は楽しいかね?など)

 

例えば、今では有名なコカ・コーラです。もともとはある科学者が薬の調合に失敗したものを本当はだめなのに密かに味見をして、おいしいと感じた研修者がきっかけだと言われています。

また、ジーンズで有名なリーバイスはもともとアメリカで盛んだった鉄鋼業の人たちがなにか丈夫で身動きがとりやすい服はないかと適当に探しているうちに出来上がったと言われています。

 

僕はこれらの本を読んで、「とりあえずやりたいことをやって何度も挑戦すればいいんだ!」と感じていました。

しかし、今回のラテラルシンキングについて学び、実際はただやりたいことをやって幸運が訪れるだけでなく、自らアンテナを立ててラテラルシンキングを行うことによって世の中にインパクトを与える物事と出会えると知りました。

 

みなさんもぜひロジカルシンキングのみでなくラテラルシンキングを駆使し、画期的なアイデアを想像してください。